国産CONTAXで、フラグシップ機だけが「RTS」と名乗る事を許されていた。そのRTSの3代目なのでRTSV型なのだ。
私は元々ニコン党で、嘗て「報道のナイコン」と云われたように、性能もさる事ながら「耐久性・信頼性」に重点をおいた設計のカメラを「カメラとは、そういうものだ」と無意識に思い込んでいたので、N社のカメラと較べるとK社のカメラ本体は、どことなく頼りなく感じるのだが、それは比較する相手がN社のカメラだからであって、廉価版の安カメラを除いて「そんな事はない」と、最近になってようやく思えるようになってきた。
シャッターダイアルが左手側にあるのは、(167MT、S2、S2bを除いて)CONTAXの定番なのだが、ダイアルの素材の剛性、クリック感は流石にフラグシップ機だと思わせるものがある。露出モードにP(プログラムAE)がないのは、CONTAXでプロ機としての設計者の意地だったのかもしれない。
なお1/8000秒のシャッターが使えるCONTAXのカメラは、数ある機種のなかでも本機とN1だけだ。
右手側の操作タイアル類もCONTAXならではのもので、与えられた機能は同じであっても、造りこみと操作感は中級機と一線を画す。
何よりこの機種の最大の特徴は、フィルムの圧板から空気を吸引してフィルムの平面性を高める機構とCONTAX唯一の視野率100%ファインダーである。
性 能 表
メーカー 京セラ 形 式 35ミリフォーカルプレン式一眼レフ レンズマウント 専用バヨネット(ヤシカ・CONTAXマウント) ファインダー ペンタプリズム固定式一眼レフファインダー
視野率100%、スクリーン交換式シャッター 上下走行式フォーカルプレンシャッター シャッター速度 (マニュアル時)4s〜1/8000秒、X=1/250秒 発 売 年 1990年