CONTAX AX


マニュアルフォーカスレンズでオートフォーカスが動作する唯一のカメラ。
パンフレットのキャッチコピーは、「全てはレンズのために・・・」だった。

 1990年代半ば、一眼レフを製造する大手カメラメーカーで、オートフォーカス(以降AFと表記)のレンズ交換式の一眼レフカメラを作っていないのは、ライカとオリンパス(OM-707を除く)だけであった。

CONTAXを手掛ける京セラも、AF一眼レフは「AF-230シリーズ」などがあるにはあったが、このシリーズは営業的には失敗作で、交換レンズも独自のものであるのが仇となり、製品としては続かなかったのだ。
 CONTAXのシステムは、レンズの設計・製造監督はドイツ・カールツァイス社が、カメラ本体は日本のヤシカ(後に京セラ)が担当しているとRTSUの紹介記事で書いた。

コアなマニアが多いCONTAXのユーザーのなかにも、CONTAXのシステムでのAF化を望む声があったのだが、ニコンやペンタックスのように、従来のレンズマウントを踏襲してレンズマウントを設計するよう、当初京セラはツァイス側に提案したという。しかしツァイス側はモーター等で駆動するためにレンズ群の軽量化に拒絶反応を起こし、技術的な歩み寄りも見せる気配もなかったという。(CONTAXが「Nシステム」と称するAFカメラ及びレンズ群を製品化したのは、暫く後のことである)

そこで、それまでに発売されたレンズを改造等一切手を加えずとも、全てそのままでAFが使えるカメラの開発し、製品化に成功したのが、このAXなのだ。
 レンズ側で焦点を調節するのではなく、「カメラ本体側で」ピントを合わせるという「コロンブスの卵」的な発想で、既存の規格に手を加える事なく、AFが実現したのだ。
 レンズ側ではなく、カメラのフィルム側を動かしてピントを調節する機構は、昔の「マミヤシックス」にもあったのだが、この機構を利用してAFを実現させたカメラは、世界中を探してもこのAXだけである。


カメラ内部のフィルム側が動作するために
フィルム押さえの圧板も独自の構造である。

 メーカーが想定していたかどうか定かではないが、CONTAX用のレンズでなくとも、例えばニコンやライカR、オリンパスOMなどのレンズを「マウントアダプター」で装着すれば、それらのレンズでもAFが使えるのが楽しい。(勿論自動絞りは連動しないが・・・)
 このように独創的で魅力的な機構を持つAXだが、機構ゆえのデメリットもある。
・カメラ内部でピントを調整する為、カメラの幅が異様に分厚い(お●ブカメラと呼ばれる事も)
・外装はチタン、内部動作させる軸と軸受けは、自前のセラミック製部品で強度を担保しているが、それでも機構上他のカメラと較べて強度的に心配。


RTSV(左側)と較べると、AXは更に大柄であるのが解かる。
横に並べると、大柄である筈のRTSVが小さく見える。(笑)

 AF以外では、シャッタ速度の最高速が1/6000(M・Tv時は1/4000)秒で、連写も秒速5コマと、申しぶんない。

見た目はともかく、実際に使ってみて楽しいカメラであると私は思う。マウントアダプターを使って、わざわざ変なレンズを使って、レンズのピントリングを触らずにピントが合うのが面白いのだ。カメラ本体が大柄であるために、大型重量級のレンズを付けても、バランスが良いのが嬉しい。


ダイアル式の操作はCONTAXお馴染みのもので、CONTAXのカメラを使ったことがあれば、操作に戸惑う事はない。
右手前の「AF・
AFL」ボタンや「SAF・CAF」設定ツマミの存在と表示が、密かに自分がAF機である事を主張している。

 ただ唯一残念なのは、京セラにてメーカー修理の修理部品保有期限が過ぎてしまい、修理用の交換部品が払底すれば、場合によって「修理不能」となってしまうのが、独創的で使って楽しいカメラだけに残念でならない。


 

性 能 表

メーカー   京セラ
形  式  35ミリフォーカルプレン式一眼レフ
レンズマウント  専用バヨネット(ヤシカ・コンタックスマウント)
 ファインダー  ペンタプリズム固定式一眼レフファインダー 視野率約95%
シャッター  電子制御・上下走行式フォーカルプレンシャッター
シャッター速度  B,30〜1/6000秒(Tv・M時は1/4000秒まで) X=1/200
 発売年  1994年 


 

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